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【禁聞】不動産市場の低迷 中国経済の最大のリスク

2014年06月24日

【新唐人2014年6月24日】現在、中国の不動産市場の低迷は、建築作業員の給与から家具の需要、鋼材の販売など、ほかの業界にも大きな影響を与えています。ある専門家は、不動産市場のより急激な下落が続くと予測しており、中国経済は今年と来年、最大のリスクに直面する恐れがあります。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は5月、不動産市場の低迷は、中国経済の成長を脅かすリスクだと報道しました。鉄鋼、コンクリート、家電など他の業種にも影響するからです。金融大手、アメリカのシティグループの推計によると、不動産投資は中国経済のGDPに12パーセント貢献しています。しかし、アメリカの信用格付け会社、ムーディーズのアナリストは、建設作業員の給与や関連業界の経済効果を含めると、GDPへの貢献は20パーセントを超えると指摘しました。

 

世界的な金融サービス会社、モルガン・スタンレーのアナリストによると、もし中国の不動産投資の伸びが5パーセント落ち込めば、中国の経済成長を0.6パーセント押し下げます。不動産投資の冷え込みと土地の販売収入の減少は、中国の不動産市場にとってマクロ面で最大のリスクになると見られます。

 

確かに不動産市場以外の業界も、大きな打撃を受けているようです。当局のデータによると、今年の1月から5月まで、建築や改築、内装関連の支出の伸びは14.2パーセントに低迷しています。去年の同じ時期の伸びは22.1パーセントでした。

 

中共統計局によれば、今年の1月から5月まで、家具の販売額の伸び率は14.7パーセント、家電の販売額の伸び率は7.3パーセントでした。去年の同じ時期と比べると、伸び率は家具が約6パーセント、家電が約14パーセント落ち込んでいます。

 

浙江財経大学の謝作詩教授によると、不動産と関連業界は、中国経済の3分の1を占めているため、不動産市場の低迷は、経済に大きな影響を与えますが、そのほか、企業の債務問題を浮き彫りにしそうです。

 

浙江財経大学 謝作詩教授

「企業の債務は多く、大体が不動産を抵当にしています。不動産相場の下落で、債務は悪化し、支払困難になる恐れがあります」

 

中国のある鋼材会社の社長は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、通常、建築会社は今、一番忙しい時期だが、今年の売り上げは去年の同じ時期よりも30パーセント減少し、鋼材は10万トンしか売れていないと述べました。

 

 

大理石とタイルの卸売市場も状況はほぼ同じです。ある会社の販売部長がウォール・ストリート・ジャーナルに明かしたところによると、5月以来、会社の売り上げは急減し、1000万元相当のタイルが会社の倉庫で、ほこりをかぶって置かれているそうです。

 

出稼ぎ農民も苦境に陥っています。上海で働く建設作業員の李貴全さんによると、不動産市場の低迷で、今年は休暇が増えました。李さんは水道管を設置していますが、2月以来、仕事がなく、現在、1000元の基本給で何とか暮らしています。

 

広東省東莞市の家具店モールは、3分の1が空き店舗になっています。ある家具店の店主は25パーセント引きで販売しても、売れ行きが伸びないため、賃貸の契約期限が来たら、店をたたむそうです。

 

中国最大のポータルサイト、テンセント(騰訊)の財経チャンネルの元編集長は、我々の取材に対し、中国は1998年から今まで、ずっと不動産が重要な支柱産業であり、すでに中国最大の産業になったと述べました。そこで不動産が低迷すれば、中国経済全体が大きなダメージを受けます。

 

テンセント(騰訊) 張賈龍元編集長

「成約数が急減すれば、価格も下がります。価格が下がれば、政府は土地を売りたくても、売れなくなり、関連の税収も減ります。中小の不動産企業は一部 倒産するでしょう。あるいは家を買った人が暴力的に抗議するかもしれません」

 

ウォール・ストリート・ジャーナルが統計局のデータに基づいて計算したところ、5月、中国の70都市で新築された住宅の平均価格は、前の月と比べて0.15パーセント下落しました。下落は2012年5月以来です。また、上海や深センの不動産価格も小幅ながら値下がりしており、不動産市場の低迷は各都市に広がっているようです。

 

先月、信用格付け会社のムーディーズは、中国の不動産業界の見通しについて、「安定的」から「ネガティブ」に下降修正しました。中国の販売の伸び率が落ち込めば、市場は供給過剰に陥るとも指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/06/23/atext1118214.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)

 

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